往復書簡

往復書簡 13 立川直樹

<往復書簡 13 立川直樹>

三島太郎様

「晴れたら空に豆まいて」での「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」の上映+トークイベントの御礼メールありがとうございました。三島クンも書いていたように本当にスタッフも気持ちのいい人たちで、オノ・セイゲンの手にかかって強力にグレードアップした映画の魅力とお客様のいい感じのバイブレーションも伝わってきて、僕自身も最高に楽しめました。
8月は11日に大阪の大正区にあるTUGBOATで沖縄の音楽をテクニクスのスーパー・オーディオ・システムで聴いて、島唄研究家の小浜司さんとトークをするというイベントに始まり、13日には金沢の赤羽ホールでピーター・バラカンと「円盤寄席」、22日には立川のCINEMA CITYで映画「ZAPPA」の上映に合わせてのSUGIZOとのトークイベント、翌23・24日にはセルリアンタワー東急ホテルの40FのBAR “BELLOVISTO”でチャーリー・ワッツの1周忌とローリング・ストーンズのバンド結成50周年に合わせた“SUPER AUDIO LIVE”そして「晴れたら空に…」のイベントと旅芸人のように動いていました。
うれしいことにすべての場所がほぼ満員の状態。あらかじめ、選曲するのは面白みがないので、毎回、素材だけは料理人が食材を用意するようにたっぷり用意してそこでひらめきと情況で曲を選んでいくやり方をしているのですが、これがスリルと発見があり、終わるとどっと疲れを感じるものの、かなり不思議なパフォーマンスになっているなと思うようになりました。
7月に京都のグランヴィア・ホテルでブライアン・イーノとデヴィッド・ボウイ、アンディ・ウォーホルという3人の、ロックとアートの世界を結びつけたアーティストにちなんだレコードをかけるイベント「MAGICAL RECORD SESSION」を催した際にはアーティストのライブのように曲が流れるたびに盛大な拍手が起きて、うれしい驚きがありました。
デヴィッド・ボウイがプロデュースしたル・リードの名盤「トランスフォーマー」に収録されている「WALK ON THE WILD SIDE」のウッドベースの響きの凄さはただただ驚くしかないという感じで、“BELLOVISTO”でのストーンズの夜も驚きの声と拍手が幾度もあがりました。
だからというわけではないのですが、そんなふうに耳がどんどん開いていったことも手伝い、今や日々の音楽摂取量はかなりのものに。時空を超えた旅への誘いにもなっています。
そして……お知らせですが、丸40年いた西麻布の事務所がいよいよ再開発のために建物が取り壊されることになり、乃木坂の方に移ることになりました。何十年も放置していた資料やビデオ、DVDの中にはお宝もたっぷりあるので、落ち着いたら“音宴会”でも催そうかと思っています。
今月はまず10日に池袋の新文芸坐で「ニューシネマ・パラダイス」のオノ・セイゲン・ミックストの上映とトークイベントがあります。
時間があったら是非来てください。

立川直樹

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