立川直樹の内省日記

2010年9月29日(水)

9月28日(火)雨の中を朝0時からウディ・アレン監督の※41「人生万歳!」の試写に出かける。自虐的なノリもあるが、久々にニューヨークを舞台にしたウディ・アレンならではのコメディ。また賛否両論、評価が分かれるだろうが、僕はウディ・アレンのひねくれ感はいつも楽しめる。その後は12時半からもう1本、アルノー・デプレシャン監督の※42「クリスマス・ストーリー」の試写を見たが、昼食は以前から通りかかる度に気になっていた“園林閣”でラーメンと炒飯のランチを食べる。中国人の家族がやっている店で予想通りのおいしさ。こういう個人経営の小体な店は絶対になくなって欲しくないと思う。そして夕方は事務所で、本人も交じえて11月に金沢で行われる※43平原綾香withオーケストラ・アンサンブル金沢コンサート「My Classics」の打合せ。編曲・指揮の渡辺俊幸さんも同席してくれて、とても実のある打合せになった。夜は“ANTIVINO”で丸山さんと永田さんと食事会。丸山さんがお元気になったのは本当にうれしかったが、いろいろな話で盛り上がる中、丸山さんが「これからは“企画の時代”だ」と言った言葉がとても印象に残った。食べ物はタスマニア産の生ガキが絶品。余りのおいしさに3人ともオーブン焼を追加オーダーしてしまった。

※41 悩める現代人が織り成す複雑な人間模様を、洗練されたユーモアで包み、ときに抱腹絶倒のコメディとして、ときにシリアスなドラマとして織り続けてきたウディ・アレンの記念すべき通算40作目の監督作。彼にしか作れない映画だ。12月上旬公開。(アルバトロス・フィルム)
※42 カトリーヌ・ドヌーヴ、マチュー・アマルニック、メルヴィル・プポー、キアラ・マストロヤンニ……キラ星のごとき最高のキャストが各匠デプレシャン監督のもとに集まった。スクリーンに映し出されるのはある家族のクリスマスの物語。縦横無尽で自由なカメラワークと、幾重にも重なる多彩な音楽も含めて、映画の魔法を堪能できる。11月20日公開。(ムヴィオラ)
※43 11月11日に金沢の石川県立音楽堂コンサートホールで開催されるコンサート。かなりスペシャルなものになりそうだ。


9月29日(水)河鍋暁斎の展覧会を見るために三島まで出かける。新幹線に乗った時に見た「ひととき」で開催の情報を知ったのだが、本当に素晴しい展覧会だった。場所は佐野美術館。没後120年を記念して開催された展覧会のタイトルは<仕掛けの絵師 鬼才・河鍋暁斎>。そのうまさとセンスは圧倒的で、1点1点を食い入るように見つめたので、見終えた時には疲労を感じたほどだった。目的地に向かって東名高速を走っている時に聞いたエリック・クラプトンの新作※44「クラプトン」も空の色を含めた情景と気分にぴったりとフィット、三島から次の目的地、大磯に向かう間に聞いたキャラヴァンの懐しいアルバムも悪くなかった。箱根の山越えも秋の景色を満喫、大磯で目的のひとつだった“國よし”が休業日だったのは残念だったが、腰越の“池田丸”で食べた釜上げしらす丼と生しらすは実にプリミティブなおいしさだった。ただ、神奈川県立近代美術館葉山で開催中の<古賀春江の全貌>は全くの期待外れ。チラシのメインビジュアルにもなっている作品「海」を以前、東京国立近代美術館で目にした時から気になっていた作家だったが、約180点の展示作品の中でもメイン扱いされている「海」も改めて見ると、他の作品を見てがっかりしてしまったせいか魅力を感じず、気分は1勝1敗という感じで葉山を後にした。夜は少し遅めの時間から“Va-tout”と久しぶりの“OP”で打ち合せを2つ。12時過ぎに家に戻ると、ワインの酔いが気持よく回っていた。今夜は暁斎の絵の中に入っていけるかも知れない。

※44 ソロ・デビューから40年を迎えたクラプトンが発表したジャージーかつブルージーなカヴァー&オリジナル楽曲集。曲も良し、ツボを押さえたギター・プレイと渋いヴォーカルはもはや唯一無二の存在といえる。(ワーナーミュージック・ジャパン)

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