ARCHIVE:緊急日記

2007年7月9日~7月16日

Jul 9th(MON)
午前中、事務所で“AUDI MUSIC MEETS ART”の打合せ。
午後、ロックの本の原稿書きをして江戸東京博物館に向かう。
“大鉄道博覧会”の内覧会。子ども時代の遊び場が交通博物館。少年時代の趣味がHOゲージだったこともあり、非常にノスタルジックな気分を味わう。食堂車なんていうのも嬉しい思い出。
しかし、何でもスピード、かつ没個性的な時代になってしまったものだと嘆息する。
両国の後は、ジョニ・ミッチェルのトリビュート・アルバムを聞きながら横浜へ向かう。
快調なドライブ。Fクンが持ってきた不動産系機関紙の取材で「霧笛楼」と「クリフサイド」で昼に続いてのセンチメンタル・ジャーニー…。忙しい中での小休暇という1日になったかも知れない。
“マダガスカル産 海老(ラベルルージュ)のポワレとセロリの軽いマリネ ポテトのアンナ風と葉野菜のサラダ仕立て”“相模湾 石鯛のマリネと生姜のブランマンジェ 胡瓜とヨーグルトの冷製スープ”“穴子のチーズ焼 根野菜のリゾット トリュフ風味 若西洋葱の蒸し煮を乗せて”などに舌鼓をうった。
ただ「霧笛楼」で、夜だというのに、まるで昼間のファミリーレストランかカフェに出かけるような格好の客ばかりにはびっくり。別にドレスアップしろとはい わないが、気分がだいなし。支配人氏も苦笑いして、“横浜で厳しくするとねえ…”と話してくれたが、何だか世の中ってズタズタになっている感じがする。ふ とアンコールワットのホテルでも同じような体験をしたのを思い出した。


Jul 10th(TUE)
Feederを聞きながら、現代美術館に向かう。
ポリスの「キャント・スタンド・ルージング・ユー」のカバーがとてもいい鳴り具合。
現代美術館では来年1月にやろうと考えている夏木マリさんのパフォーマンスのための打合せ。常設展示のスゥー・ドーホーの作品が息をのむほど素晴しい。
午後はクエンティン・タランティーノ監督の新作「デス・プルーフinグラインドハウス」の試写。思いっきりバカをやっている感じがさすがタランティーノで、何回も笑わせてくれた。
夕方に一度事務所に戻り、T氏と松本城での久石譲さんのコンサートの打合せ。その後、神保町シアターのイベント“お披露目特別講演/デジキシン VS アイドルにっぽん”に出かける。篠山紀信と中森明夫の対談絶好調。写真をベースにした映像も最高に魅力的。ちょっと時空を超えられた。


Jul 11th(WED)
午前中はFM東京で“AUDI MUSIC MEETS ART”の打合せ。午後はロックの本、原稿書きとかたづけもの。もう、“砂の女”のようにどうにもならない状態になっている。
夜はル・テアトル銀座で、ミュージカル「ザ・ヒットパレード」。休憩を入れて3時間の長丁場。記憶と舞台と歌がシンクロして前日の夜に続いて再びタイムスリップ。さらに深い形で…。


Jul 12th(THU)
午前中のJAZZが、気分にフィットする。デンマーク出身のフリューゲルホーン奏者アラン・ボッチンスキー率いるクインテットの1995年のライブ盤。これも一種のタイムスリップか…。
午前中に目黒の「PROMAX」まで久石さんのコンサートの打合せに出かけ、1時からはUIPでサミュエル・L・ジャクソン、クリスティーナ・リッチ共演 の「ブラック・スネーク・モーン」の試写。孤独な元ブルースマンとセックス依存症の女の奇妙な物語で、想像していたよりシリアス系のドラマ。「ハッスル& フロウ」で評判をとったクレイグ・ブリュワーの劇場作品第2作目で「ハッスル&フロウ」でも、音楽を担当していたスコット・ボマーのブルージーな音楽が冴 えをみせる。
夕方は「PROMIC」で日中国交35周年のイベントの打合せをして、夜は「鳥善・瀬尾」で食事。その後、EMIのN氏、F氏と「Va-tout」で合流。ENNに場所を移して、2時半まで飲む。ありとあらゆる話題がクロスして楽しい時間だった。


Jul 13th(FRI)
歴史文化財団と、トライグループで2つのミーティングをこなし、3時30分にはホテル・オークラの「ケンジントン・テラス」に入る。夜の食事会のしつらえの準備、そして、並行してVISCONTIの展覧会の取材を受ける。
夕方、セッティングはうまく終わり、6時30分からスタートした食事会にきてくれたお客さんの小さな歓声もうれしい。10時前には帰宅できたが、一仕事終わった安心感と前日の疲れのせいか、10時半すぎには気力がとぎれる。


Jul 14th(SAT)
7月としては最上最大規模の台風が東京にも近づいて、雨が強く降っている。ほぼ一日中かたづけものと、原稿書きに追われ、夜は「CRADLE」。最後の夜ということで、Yさんと待合せ、椎名さんと一緒に辛子ウォッカを飲む。
店内に貼りめぐらされたポスターを常連が欲しがっている話をしている時に椎名さんがさらっと「フランシスが持ってきてくれたの…」と言葉をもらす。考えて みれば、コッポラから侯孝賢まで世界中の映画人が夜、羽を休めた場所。朝日新聞の朝刊に出ていた記事<土曜日の封切りに異変>のしめくくりの「勝ち組と負 け組が鮮明に今の映画界を象徴している」という一文が頭をかすめる。そして、勝ち組と負け組なんていやな言い方を聞くと、こんな時に自分はいい時代に仕事 をしてきたんだなと思う。


Jul 15th(SUN)
前夜の辛子ウォッカの酔いが身体にまだ残っている。二日酔いというより、何だか骨が溶けているような感じで、何かやる気力は失せているものの、けだるい気持良さもある。
台風はどうやら直撃はさけられそうになり、2時04分の新幹線も定刻通り運行され、無事上田の生島足島神社に到着する。
農村歌舞伎舞台前に特設した桟敷席は、予想通りのはまり具合。
天候との戦いというつらさはあるものの、やはり野外イベントはおもしろい。
8時半にはホテルに戻り、BSにっぽんのうたで由紀さおりのステージを見る。松尾和子の「再開」のカバーが藤家虹二のクラリネットとのジョイントで絶品。
9時からの“N響アワー”では、写真家・堀田正矩氏が登場。“レンズを通して出会った巨匠たち”としてベームやカラヤン、シャルル・デュトワの話をして、名演をプレイバック。“忙中閑あり”の言葉を実感する。


Jul 16th(MON)
9時には生島足島神社に到着する。天気もいいので安心していたら10時に地震。本部に使っていた古い建物も歌舞伎舞台もきしみをたててゆれる。
恐怖感とイベントをどう対処するか、不安感がつのる。でも、7時15分から始まった“LIVE 阿国”は問題なく終了。「日本海庄屋」「魚民」での打ち上げまで一気に盛り上がる。ビールと日本酒、ワイン、それに刺身から揚げ物までのオンパレード。さすがに酔いが回る。

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