立川直樹の内省日記

2010年6月3日(木)

6月1日(火)笑った。心の底から笑わされた。東京芸術劇場、中ホールで行われたWAHAHA本舗全体公演<バカの力(ちから)>。“BELLOWS LOVERS NIGHT”で知り合ったポカスカジャンのメンバーに招待されて出かけたが、申し分のないおもしろさで、何回も「バカだなぁ…」と言いながら3時間近くたっぷり楽しませてもらった。出演者全員が舞台力を持っているので安心して見ていられるし、久本雅美と柴田理恵の舞台人としての実力には感服した。終演後、IさんとYさんと一緒に“てしごとや”なる中々の居酒屋を見つけ、「本当にすごかったね。おもしろかったね」と盛り上がったが、一晩中でも話していられるくらいにネタも豊富なイベントだった。昼の2時から赤坂ACTシアターで見た「おくりびと」とは対極の所に位置する演し物。「おくりびと」も中々よく出来ていたが、この2つの演し物を同じ日に見ている僕はかなり変かも知れないと思ってしまった。おまけに、その間には“高橋コレクション日比谷”で<会田誠+天明屋尚+山口晃>と“YASUDA ART LINK”で西川祥子の展覧会“Logos-記憶”も見ている。ACTシアターに出かける前は、“Va-tout”でランチをとりながら、2つミーティングもこなしている。仕事が忙しいのか、見たいものを見ようという欲望のために時間が足りないのか……朝刊には吉原最後の現役芸者、みな子姐さん死去の記事が出ていたが、朝のテレビの定番だったテレビ朝日の<スーパーモーニング>が急にはしゃぎ過ぎのバカっぽい構成になってしまったのはとても残念。同じバカでも、こっちのバカは悪い方向に向かっていくだろう。


6月2日(水)鳩山首相突然の辞任。朝刊で舞踏家、大野一雄さん103歳の死の記事を目にし、2CVの屋根を全開にしてリー・リトナーを聞きながら70年代のLAにトリップして大学に行き、授業を終えた時にそのニュースを聞いた時は本当にびっくりした。朝のテレビのニュースで立てていた親指は何だったのだろう。午後は世界の終わりを旅する父と子を描いた「ザ・ロード」の試写と、G.I.Tで喜多郎の御柱祭関連の3Dのプレビューと打合せ、夜は東京国際フォーラムCでTAOのライヴを見る。昨年の「浮世夢幻打楽」から1年たっての「浮世夢幻打楽~弐の絵巻~」。全米ツアーの成功を経て、ステージングも滑らかになり、魅力を増している。本当にいろいろな可能性を秘めたグループだと思う。そして、帰宅後は鳩山首相辞任劇をめぐるニュースを見ながら、T氏からいただいた“大洋盛”の限定醸造“紫雲”を飲む。村上というと、今や“ 〆張鶴”がすっかり有名になったが、この“大洋盛”は実にうまい。つまみはハマヤの佃煮。週の半ばの夜の一休みという感じだ。


6月3日(木)おもしろかった。青山円形劇場で見た<劇団、本谷有希子>の「甘え」。主演の小池栄子も女優として魅力的だったが、本の良さと演出のユニークさは賞賛に価する。30歳の才能に心から拍手という感じだ。そして、午後の試写で観た「フェアウェル さらば、哀しみのスパイ」が大収穫。20世紀最大級のスパイ行為といわれる「フェアウェル事件」をベースにした映画だが、エミール・クストリッツァの名演技とクリスチャン・カリオンの骨太の演出が素晴しく、久々に映画らしい映画を観た思いがした。でも、今週は本当に自分でも飽きれるくらいに映画や芝居を見ている。きょうもきちんと、暮れの金沢での歌舞伎公演などの打合せをはじめ3つほど打合せもしたが、試写室や劇場の椅子に坐っている時間の長さは相当なものになる。それに酒宴の時間。今夜も円形劇場の後にH氏に案内されて出かけた“鐡玄”も本谷有希子の話からジューダス・プリーストと劇団新感線の話まで大いに盛り上がった。猪の辛味噌焼きをはじめとする食べ物も中々のもので、赤ワインとの相性も最高だった。明日もまた長くて濃い1日になる。

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