立川直樹の内省日記

2010年3月20日(土)

3月19日(金)午前中“KIRIN LAGER CLUB”のミーティング。1989年にスタートしたイベントも195回目になり、来年は200回を迎える。これは単一のスポンサー・イベントとしては奇跡に近いと自負できる。昨日の夜、劇団☆新感線の人たちと話していても思ったことだが、スピリットをキープしながら続けると必ず何かが見えてきて、成果が上がる。今の世の中、余りにも早く結果を求め過ぎる感じがする。夜“よしおか”でEMIミュージックの行方氏たちと宴会をしながら、いろいろな話で盛り上がった時もそれを思った。そして、“よしおか”から流れて新丸ビルの“来夢来人”で行方氏がカラオケで歌うボブ・ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」や「レイニー・デイ・ウーマン」の画面に映る歌詞を見て、今さらながらにディランの詩の深さと凄さに感動、ユーミンの「あの日に帰りたい」の名曲度を認識した夜。午後、試写で見たマーティン・スコセッシの最新作「シャッター・アイランド」も音楽監修のロビー・ロバートソンの超強力なセレクションに真底唸らされたが、全てが20世紀に生まれたものなのが何だか象徴的だ。エンディングに流れていたダイナ・ワシントンの「ビター・アース」の素晴しさがどこかに彫り込まれてしまった気もする。一昨日が3時、昨日が2時、今夜が1時と、帰宅は1時間づつ早くなっているが、いささか疲労感が身体の中に充満し始めている。


3月20日(土)大学の卒業式。時の流れというのは早いもので、教授職も6年になった。そして6年の間に若者はどんどん小じんまりしてきている。式の最後に蜷川幸雄学長も言っていたが、デジタル世代と言われる彼等が社会でどう自分達をアピールしていくかは大きな課題だろう。でも、新宿の何だか訳の分からない仕切りの店で行われた6時からの謝恩パーティーの間に青山円形劇場で井手茂太のソロリサイタルを見た時には肉体の力と感性があれば、デジタルはアナログと絶対にリンクし、ポジティブな化学反応が起こせるはずだと思った。そして本当に素晴しかった井手茂太のダンス。ダンスのみならず、ストレートプレイからミュージカルやオペラまで、商業演劇から小劇場まで、振付やステージングでも幅広く活躍し、国内外から高い評価を得ているが、振付家として、ダンサーとして自身を見つめ直す思いでステージに登場した井手茂太は肉体が感性と見事に融け合う瞬間を幾度も見せてくれた。甲州街道の予期せぬ渋滞で「トランスポーター」のフランク・マーチンばりの運転をして、円形劇場に突入した甲斐は十分過ぎるほどあった。夜の謝恩パーティーの後は、3次会までつきあい、帰宅は12時過ぎ。水曜日から1時間づつ帰宅は早まったものの、中々ハードな夜が続いた1週間がようやく終わった。明日からは空白の2日間だ。

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