立川直樹の内省日記

2010年1月22日(金)

1月19日(火)TVも新聞も小沢幹事長の疑惑問題とJALの実質的倒産のニュース一色。特にJALについてはいろいろな思いがあるが、「ダレン・シャン」と「カラヴァッジョ」という午後の試写2本立て、夜の“爐談”での熊鍋を囲む会に興じている僕は完全な傍観者でしかない。「カラヴァッジョ」の中で教会が画家をどのように利用しようとしていたかなどの場面を見ながら、いつの世も政治的なものには暗部があるのだと実感。ただ熊鍋だけを食べた夜の食事会も丹波から送られてきた熊鍋の放つエネルギーのせいか、不思議な盛り上がりをしたが、また、そこでプロジェクトのアイデアがひらめき、走り出すことになってしまった。仕事をセーブするなんて言っているのに、これって自業自得かもしれない。


1月20日(水)朝10時から観た「50歳の恋愛白書」、いい映画だった。“The Private Lives of Pippa Lee”という原題が示すようにピッパ・リーという1人の女性を軸に展開する物語だが、脚本も演出も俳優の演技も音楽の使い方も申し分ない。ブライアン・イーノの「アナザー・グリーン・ワールド」が挿入曲として流れたのには思わずニヤリ。原題そのままというのも難しいし、でも邦題はちょっと“安い”なと思いながら、映画やアルバム・タイトル、曲名などを考えていた日々のことを懐しく思い出した。松本俊明さんとの“オステリア”でのランチ・ミーティングも大いに盛り上がったが、おいしいものは絶対に人の気分をハイにさせる。鴨肉のハムにイイダコのマリネ、イカスミを練り込んだパスタのワタリガニソース……。2日ほど前に夜の約束が延期になったので、夜は家で晩酌。少し風邪気味なのか、酔いが急激に回り、9時前にはベッドに入ってしまった。夕刊にはエリック・シーガルの死亡記事。「ある愛の詩」のいくつかの場面がフラッシュバックしてきた。


1月22日(金)どうやら風邪をひいてしまったようだ。昨日も“近藤”で食事をして戻った後、倒れ込むように寝てしまったし、久々に体調は絶不調だ。でも、朝の8時半に東京を出発して鎌倉に向かい、神奈川県立美術館・鎌倉で“内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している”を見てから、神奈川県立美術館・葉山で“長澤英俊展―オーロラの向かう所”を見る。長澤英俊展は思わぬ収穫だったが、久しぶりに出かけた葉山界隈の変わりようにはちょっとびっくり。車もすいていたので昼には東京に戻り、麻布十番の“胡同三辣居”で昼食をとった後(珍しく食欲も落ちてしまった)青山・ビリケンギャラリーで“宇野亜喜良『ami<アミ>』原画展”、フランス大使館で話題の“No Man's Land”、ギャラリーストレンガーで“Woman in Red アントネラ・マセッティ・ルカレラ”、CHANEL NEXUS HALLで“『イントゥー・ザ・ワイルド』フィリップ・マリニグ写真展”を駆け足で見てから、東京都現代美術館に向かう。レベッカ・ホルン展の3回目。「ダンス・レッスン」と「ラ・フェルディナンダ」という2本の映像作品を観る。イタリア出身の女性画家、アントネラ・マセッティ・ルカレラの作品も中々魅力的だったが、僕は完全にレベッカ・ホルンには捕まってしまった気がする。その後、SCAIで見たロンドン在住の作家、鈴木友昌の小さな木彫の人物像も中々のもの。思いっきり“アートな1日”はYASUDA ART LINKでの“谷敦志写真展”で幕となったが、この量と移動のスピード感は昨日観たガイ・リッチー監督の最新作「シャーロック・ホームズ」にも匹敵するというような感じだ。確か相撲界で言う“身体をいじめた”のがやや功を奏したのか体調は少し快方に向かい、10時半過ぎに帰宅してからはメモの整理をする気力も残っていた。これで週末はおだやかに過ごせそうだ。

Page Top▲

  • TOP
  • PROFILE
  • 立川直樹の内省日記
  • TIME WAITS FOR NOR ONE
  • WORKS
  • ARCHIVE
  • ABOUT THIS SITE